フェイスシールドを医療従事者へ

3Dプリントフェイスシールドからの展開

新型コロナウィルス感染問題でマスク不足の対策として開発されている3Dプリントマスクの事例は以前の投稿で取り上げました。今回、取り上げるのは大阪大学より公開された3Dプリントで作るフェイスシールドで、クリアファイルと3Dプリンターがあれば、自宅で作ることができるものです。

新型コロナ:命を守るフルフェイスシールドをいち早く医療現場へ(readyfor.jp へのリンク)

速やかに医療従事者に大量のフェイスガードを無償提供するためには、3Dプリントではなく金型を使った大量生産に切り替える必要があります。クラウドファンディングにて、医療現場で実用できる10万個のフェイスシールド用フレームを無償配布するプロジェクトを緊急的に立ち上げており、4/28現在で目標金額に達しても尚、賛同者が増えている事から、医療従事者を支援したいという多くの人の高い意識が伺われます。

公開されたフェイスシールドのデータを見てみると、データはフレーム部分で、クリアファイルをはめ込んだりテープで固定して使用するようです。身近に手に入るもので使用できる設計ですね。

下記のフェイスシールドを含め、複数のタイプのフェイスシールドが STL形式の3Dプリンター用データとして公開され、こちらからダウンロード出来るようになっています。

3Dデータを WebGL を使って表示

  • スタンダードタイプにクリアファイル装着イメージ

フェイスシールドのフレーム1個当たりの材料に掛かるコストは、100~300円程度。

ダウンロードしたデータは Windows10 などからは標準アプリで表示できますが、このように WebGL を使ったウェブサイトを用意すれば、スマホ・タブレットからでもブラウザで3Dデータを表示できるため、サイト訪問者にストレスなく3Dデータを閲覧してもらえます。ちなみに STL形式には色情報はありません。今回は形状を分かりやすくするために設定を加えています。さらにイメージしやすいようにクリアファイルを装着したものにしています。

3Dプリンターでは1つのフレームを作るのに2時間くらいかかるそうです。24時間で12個を3Dプリントしていても必要数は医療現場に届かないでしょう。やはりフレーム部分を量産するには、金属でできた型(金型)を製作し、樹脂を流し込んで成形(射出成形)する従来の大量生産に適した製造方法にする必要があるようです。

だからといって3Dプリントが役に立たないわけではありません。速やかなプロトタイプ製作から、その問題点の洗い出し、再試作の工程は3Dプリントのラピッドプロトタイピングのなせる業です。3Dプリントを活用しなければ、大量生産の開始も遅くなるでしょう。


各方面で対策は取られているものの、未だ収束する兆しは見えない新型コロナウィルス。医療従事者は感染のリスクに晒されながらも最前線で戦っています。同じ様にスーパー・コンビニのレジに従事する方も不特定多数者と接しています。飛沫感染を効果的に予防するために必要な物資は足りていません。官民とか言っている場合ではなく、ひとりひとりが貢献出来ることをしていかなくてはならない。そう思い、GWステイホームする所存です。

公開されているモデル

それそれのモデル名をクリックで別タブでの全画面WebGLプレビュー表示になります。

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