2020年12月に Rhinoceros 7 が正式にリリースされます。
前バージョンの Rhinoceros 6 では Grasshopper が標準搭載されました。これによりRhinocerosをインストールすれば、すぐにGrasshopperが使えるようになりました。建築デザインなど業界によっては Grasshopper をメインに使用されることも多く、パラメトリックデザインをしたい人には有り難いバージョンアップとなりました。
Rhinoceros 7 でも多くの追加機能が搭載されます。
- サブディビジョンサーフェス(SubD)ツールの搭載
- 四角メッシュに再生成コマンド(QuadRemesh)
- Rhino.Inside
- レンダリング機能の強化(PBRマテリアル、ノイズ除去、Food4Rhino での素材DL他)
- Grasshopper 機能の強化(GHPlayer、干渉検出プログラム他)
- デジタルファブリケーション向け機能(金型製作向けツール、シングルラインフォント)
- 同一平面上のサーフェスの和/差/積演算
- トリムを再フィット(トリムサーフェスをアントリムサーフェスに変換)
- リボンオフセット(金型外周合わせ面作成)
- 自己交差曲線を選択
- 曲線の自己交差部に点を作成
- 選択セット(モデリング上グループ選択したい制御点や SubDフェイスを保存)
- エッジの連続性(エッジ間で隣り合う面角度の変移を色表示)
- レイヤブック(レイヤを個別に順番に表示)
- 干渉(部品間の干渉又はクリアランス不足な場所を発見)
- メッシュ上にスナップ(メッシュ表面でのカーブ作成を可能に)
- 表示透明度を含んだレイヤ色設定
その中でも個人的に気になるものは以下のものでしょうか。
サブディビジョンサーフェス(SubD)
有機形状の自由曲面が表現しやすくなるサブディビジョンサーフェス機能を搭載します。サブディビジョンサーフェスは、従来のサーフェスデータに変換可能とのことです。かつてAutodeskが手掛けていたプラグインの T-Splines のような位置付けなのかもしれません。サブディビジョンサーフェスは標準機能としての搭載なので、使い勝手の良いものになっているのではないでしょうか。
四角メッシュに再生成コマンド(QuadRemesh)
三角形ポリゴンを四角形のクアッドメッシュに変換します。さらに、それをサブディビジョンサーフェスに変換して編集もできるようです。リバースエンジニアリングで3Dスキャンしたデータを Rhinoceros で再加工する場合に威力を発揮する機能となりそうです。また、スカルプト系の Zbrush に objファイルとしてインポートする場合に、あらかじめ Rhinoceros できれいなクアッドメッシュに調整できるようなら、Zbrushと連携する場合に活躍しそうな機能です。
Grasshopper機能の強化(GHPlayer)
Rhinoceros 側から Grasshopper のアルゴリズムを実行させるGHプレーヤー機能が搭載されます。今までは Grasshopper 内で実行していたものが、Rhinoceros 側から操作可能になるようですが、Rhinoceros・Grasshopper を行き来せずに、自分で組んだ Grasshopper コンポーネントがコマンドのように扱えるようならとても便利だと思います。
Rhinoceros はバージョンアップするたびに便利な追加機能が追加されてきました。また、アナウンスされている追加機能以外でも細かな調整がされている部分もあるでしょう。ちなみに Rhinoceros 7 のライセンスは、Windows・Mac 共通して利用可能なユニバーサルキーとなるようです。
前回と同じように期間限定ではありますが、アップグレード版は特別キャンペーン価格で販売されている販売代理店もあるようです。